「こ…この人の、名前分かったり…する?」


 震える声で問うと、


「それがねぇ。分かんないんだよね。SNSでもバズってて隣町とか大騒ぎらしいよ」


「………へ、へぇ…」



 …どうしよう。どうしよう。



 名前がバレるのも時間の問題なのかもしれない。


 そうなったら、梨々ちゃんにも結ちゃんや皐月くん…にもバレてしまう。


「…ちょっと、見せてくれる…?」


「いいよ〜」


 梨々ちゃんからスマホを受け取ってスクロール。

 コメント欄を急いで確認する。


【うわーやべー】

【この中学、○☆町のほうだろ?】

【ちょっ今度誰か一緒に行ってみない!?】


 …どうしよう。


 見たところ私のことを知ってる人はいない。

 でもこの写真が誰から流れたものなのか分からなくて怖い。