———同じ頃、皐月邸。


 スマホ片手に皐月昴はベッドに寝転んでいた。


 
 日向七海と出かける約束をした。



 その事実が嬉しいけど恥ずかしい、そんな気持ち。


「昴さま、ご夕食の時間でございます」


 扉の向こうからお手伝いさんの声。いつもはどこか憂鬱な夕食の時間も今日は気にせずに食べれる気がする。


「ああ。今行く」


 サッと髪を整えて部屋を出た。