「ホント?私ね、花柄のにしようと思って。これ、可愛くない?」
スマホで見せてきたのは白い生地に綺麗なピンクや薄い水色やラベンダー色の淡い花が咲いている可愛いビキニ。
「可愛い!これ、梨々ちゃんに似合うよ」
そう言うと、ニコッと梨々ちゃんが笑う。
「良かった〜。これ、気に入って買っちゃったんだよね。うん、これにしようっ!」
海…。
「私が最後に行ったのは小学3年くらいのときかなぁ」
あんまり思い出にない気がする。
「ええ!?うそ!七海ちゃん、それは人生損してるよ!JKの夏の青春はねぇ、海、プール、夏祭り!この黄金トリプルコンボなんだから!」
お、黄金トリプルコンボ…。
「この夏は絶対に海行こうね!」
ガシッとガッツポーズをした梨々ちゃんははたとその場で停止した。
「………ん?七海ちゃん、水着持ってる?」
「…えーと、中学校の指定水着なら…」
あれ、まだ入るかな?
「ダメえええぇええ!!」
どかーん、と梨々ちゃんカミナリが落っこちた。
「私は中学時代の指定水着なんてもうとっくに捨てたわ!!」
「おー…」