「…生徒会長と、何話してたの?」

 日向さんは、ビクッと反応してから

「……えっと。私が屋上で寝ちゃってて…起こして貰った、みたいな」


 屋上で寝てた?


 心配するけど、弁当食べてて眠くなっただけと笑顔を向けてくる。


「そっか。ならよかった」


 俺がそう言うと、日向さんは嬉しそうに

「皐月くん、私を探してくれてたんでしょ…?ありがとね」


 っ。


 バレてた。


 でも悪い気はしない。



  ありがとね。



 日向さんの言葉が頭にフラッシュバックして離れないくらい。

 特別な言葉に聞こえた。


 照れくさくなって反対側を向いてしまう。



「じゃっ、じゃあ、ありがとね。私、水道寄るから…!」


 日向さんはなぜか慌てて反対側へ行ってしまった。


 俺も教室戻らなければ。