何故かバチバチと漂う、イヤ〜な空気。
もしかしてじゃなくて、皐月くんと藤寺先輩は仲があまり良くないのかな…!?
急いで空の弁当を抱えて皐月くんに近寄る。
「さ、皐月くん、もうすぐはじまっちゃうから、行こうっ…」
「……うん」
了承してくれた皐月くんをサッサと引っ張り屋上を出た。
…ふぅー。なんとかセーフ。
でも皐月くんは浮かない顔で。
「…生徒会長と、何話してたの?」
「……えっと。私が屋上で寝ちゃってて…起こして貰った、みたいな」
「寝てたの?寝不足?大丈夫?」
途端、心配してくれる皐月くん。
優しいなぁ。
しみじみと思いながら、笑顔になる。
「うん、大丈夫!お弁当食べたら眠くなっちゃったの…あはは」
昔、お母さんに食べてすぐ寝たら牛になっちゃうぞーって言われたのを思い出した。
「そっか。ならよかった」
フッと笑ってくれる皐月くんはやっぱりカッコいい。
「皐月くん、私を探してくれてたんでしょ…?ありがとね」