駅を出たら、近くにお兄ちゃんが迎えに来てくれていた。
「学校まで迎え行けなくてごめんな。大丈夫だったか?」
うん、大丈夫。
今度は、お兄ちゃんと肩を並べて歩く。
「スーパー寄ってから帰ろ」
今日はお魚でも焼こうかな。
「…なんか、七海、楽しそうだな」
「え?」
急にそう言われて、何と反応していいのやら。
…楽し、そう?
うん。
「楽しい…かも」
お兄ちゃんは驚いたような顔をしてから、微笑んだ。
「良かった」
憂鬱と思い、悩んでいたこの転校。
それがたったの数日で大きく変わった気がする。
あとは…。
梨々ちゃん。