「え?」

 皐月くんの目線を追うと、そこにいるのは


「ひえっ!?何で…」


 さっきまでホームにいたはずの小杉くん。


 しかも、結構近めの距離でキョロキョロしてる。


 …ど、どうしよう…。


 思わず目の前にあるものをキュッと掴む。


「…日向さん?」


 え?
 皐月くんの少し戸惑ったような声。

 思わず手元を見て…。

「!ごめんっ…」


 私、皐月くんのシャツの袖の端っこを掴んでた。

 かああああっ…と、顔が赤くなる。

 やだ、床が土だったら深さ50mまで掘って中に入りたい…。


 皐月くんの顔を見上げることもできずに、ただただ俯いての無言。

 小杉くんに見つかりたくないけど、この状況もなんか恥ずかしい。