「さてと。まず何からする?」


「えぇ、と」

 早く終わらせないと、皐月くんも迷惑だろうから…。

「じゃあまずは上体起こし…かな」

「いいよ」

 皐月くんに記録表を挟んだバインダーを渡し、マットの上に横になる。

「30秒ね。よーい、スタート」
 

 こんな感じで、握力、反復横跳び、立ち幅跳びと着々とクリアしていく。


「日向さんって、運動神経いいんだね」

「そうかな?普通の方だと思うんだけど…」


 皐月くんの方が、もっと良いよ。

「じゃあ、20メートルシャトルラン、競争しない?」