「えー…と…、でも迷惑…じゃない?」


「全然。ほら、体育館行こう」


 先に図書室から出て行く皐月くん。


「ええっ、ちょっと待って…っ」


 ここは本のお礼として素直に受け取るべきなのかな。
 そう思いながら私も皐月くんの後を追う。

「鞄は教室?」

「ううん、体育館に置いてる…」

 体育館は東棟の1階。ちょうどここからエレベーターで下に降りるだけ。

 2人だけのエレベーターは、お互い無言のまま1階へ到着した。


 エレベーター乗り場と体育館入口は真正面。

 そのまま体育館に入る。