「ううん。…イトコさん」


 梨々ちゃんを優しく抱える男の人…梨々ちゃんのイトコさんで彼氏さんを見つめて。


「梨々ちゃんのそばにいてあげてください」


 ペコリと、頭を下げた。


 彼氏さんは一瞬驚いたようにしてたけど、うん、と頷いて、


「絶対離さない」



 そう言って教室を出て行った。





 まだざわついていた教室だけど、すぐに授業が始まった。


 そういえば、体力テスト、どうしようかな…。

 本は休み時間に渡すとして。

 流石にひとりで体力テストして記録したりするのは…。