あ、年配先生はお兄ちゃんのこと知ってるのかな。


「日向楓空。ご存知ですか?」

「ああ、やっぱり!覚えてるよ、日向くんは。彼はこの雅月でも飛び抜けた秀才だったからなぁ」


 しみじみ、語る年配先生。

 他の先生も、あの日向くんの妹さんか、とこっちをチラチラ見てくる。


「じゃあ、日向くんによろしく言っといてくれ。本は、図書室のカウンターの紙に名前を書いてくれれば問題ない」


 もうすぐ、HRが始まる。


「はい、ありがとうございました。失礼します」

 お辞儀をして、職員室を出た。