「うーん」


腕を組み眉間にシワを寄せ、頭をひねる実柑。


「もしかしたら憧れてるのかも」


憧れてる?


「モモの言ってた。"永遠"……ってやつに」


うつむく実柑は色っぽくて、やっぱり同じ年の女の子には見えない。


「なーんてね。オトコは大勢いるのに、今から一人だけなんて無理!」


ええっ!?


「あ、モモはいいんだよ。モモだから」
「なにそれ」
「拗ねるな拗ねるな。そこが良さだもんねー?」
「どうせ子供っぽいよ、私は」


今でも中学生と間違えられるよ。


「うちがオトコならモモを口説き落として溺愛するね」
「は!?」
「モモ、かわいーもん」


実柑が顔を寄せてくる。


「女のままでも食べたいくらいには」
「へっ」


た、たべたい……?


「いっそ、うちと付き合う?」 


何言ってるの!?


「大切にするし。ドキドキも、させてあげる」


たしかに実柑なら私を翻弄させそうな気がしてきた。


ただし。


「……実柑が恋人だったら大変だよ」
「それどういう意味」


だってだって

コロコロと気が変わる実柑を繋ぎ止める術を知らないから。