『え、特待生…ですか?』

根津「そうなのさ!君の事情はもちろん聞いたさ!学校側にとっても君にとっても、悪い話ではないと思う。どうだい?」

『…では、よろしくお願いします」


私の個性は《想像》と《雪》

想像の方は炎、氷とか雷とかが出せる。
でも、筋力をあげたり、超パワーが出せたりはできない

雪はそのまんまで、雪を降らせる事ができる


根津「ありがとう。…じゃあ今日のところはお暇するね!校長先生もありがとうございました!」

高校「いえ、大丈夫ですよ」


根津さん?はぺこり、と一礼すると後ろに立っていた黒髪のマフラーみたいなのをしている先生と帰っていった


校長「…いやぁ、まさかうちの学校から雄英に行く人が出るとわねぇ…。おめでとう、水瀬!」


『ありがとうございます』

その日は真っ直ぐ家に帰った。
いつもなら寄り道する本屋も、野良猫のたまり場にも足を向けずに。


『…はぁ、ほんとに雄英か…』

とりあえず勝己と出久に連絡しとこ、と思いスマホの電源を入れた。


すると、ピコンピコンピコンピコンピコ………

え?こわ


某メッセージアプリを覗く

なんという事でしょう…
全ての通知は出久と勝己からではないでしょうか


“おいっ!クソがっっ!!テメェ受かったんかよ!!!”

“燈ちゃん!雄英の校長先生とちゃんと話できた?受かってるといいね!!僕も頑張るよ!!”


『うん、ちゃんと受かったよ…っと。でも、あれを受かったって言うのかな?』


そんなこんなで家に着いた。

『ん〜、疲れた…』

荷物を置いて、ベットに寝転ぶと思っていたより疲れていたようで体は正直だ。

眠気が襲って来て、駄目だとは思いつつも意識を手放してしまった。

===============

『…ん』
ああ、寝ちゃったのか

時計を見るとまだ4時半で若干空は暗い

『ちょっとだけ走ってこようかな』


昨日は制服のままで寝ちゃったけど、個性で軽くしわを伸ばしてハンガーにかけておけばなんとか大丈夫だろう。

簡単に寝癖を直して、動きやすい格好に着替えた

『じゃ、行ってきまーす』
あ、誰もいないんだった





『んー、やっぱりまだちょっと寒いなぁ』

いくら夏になったとはいえ、日がしっかり昇らないうちは冷え込むな。

そんなことを考えていたら、結構早く目的地に着いてしまった。


『もーちょい走ろうか』

隣町の図書館まで、と思って走っていた時
爆速で横を通り過ぎていく人がいた。

朝から元気だなぁ


ふと、下を見ると青色のハンカチが落ちていた
…まだ綺麗だし暖かい。今の人のだろうか?

えーと、…い、飯田天哉か。

走って行った方を見てももう誰もいない。

うーん、顔とか全然わかんなかったしな…
交番とかに持ってった方がいいのかな?

…ここら辺に交番ってなかったっけ?

やべっ、わからん

ま、いっか。
とりあえずも、持ち帰る?

うん。持ち帰ろう。



===============

さっきロードワークから帰ってきて、時計を見ると7:42

やべぇ

全力で準備して、歯磨きして、着替えて

家から学校まで大体25分かかるけど、ぎりぎり大丈夫かな


冷や汗を拭いながらスマホをいじりながら歩く

すると、後ろからよく知ってる声が聞こえた

緑谷「おはよ!燈ちゃん」

『んー、おはよー』


緑谷「というか、燈ちゃんがこの時間にいるなんて珍しいね!」

『あはは、隣町まで走ってたらいつのまにか時間が経っててさ』

緑谷「とっ!隣町まで!?」

『うん。意外といけた』

緑谷「やっぱりすごいね!燈ちゃんは!!」

『いい加減その燈"ちゃん"ってのやめない?』


緑谷「っ無理無理!!僕にはハードルが高すぎるよ…。燈ちゃんと話すのでやっとなのに…」

『まあいいけどさぁー?慣れたらちゃんと呼んでねー?』

緑谷「う、うん!」

『うん、よろしい』