「おまえは優しすぎるんだよ。それは颯多のいいとこだけど。諦められなくて、ヤケ酒するくらいなら、もう少し足掻いてからでも遅くないんじゃない?って言ってるの」

「足掻くって」

「どうせそんなかっこ悪いことできないとか言うんだろうけど。そんなプライド持ってたって、後悔するだけなんだよ」

「別にプライドなんか、俺は和奏さんが幸せなら・・・」

「ほら、やっぱりな。おまえは彼女の何になりたいの?都合のいい人?可愛い後輩?頼れる部下?」

さすが修二、遠慮がない。

俺は痛いところをつかれたと思った。

「それは」

ウソをつきたくない気持ちと弱味を見せたくないプライドがせめぎ合って、答えられない。

「やる前に諦めるのは、傷つきたくない、自分からも相手からも逃げてるやつのやることだろ」

そんなの知ってる。

でも、フラれるってわかってても告白しなきゃ、逃げてるやつになるの?

「なんで、わざわざ傷つきにいかなきゃいけないんだよ」

「え?」

「なんで結果わかってるのに、聞かなきゃダメなの?本人からフラれなきゃ逃げてるの?」

「颯多?おまえなに言ってんの?」

修二は、俺の言ってることがわからない様子だ。

「修二にはわかんない!どんなことにも冷静に落ち着いて向き合えるおまえには、俺の気持ちなんてわかんないよ!」