信じていたものが一瞬で崩れ去ったあのとき。

いつもの俺なら、笑ってごまかしたり、冷静に分析したり出来るのに。

何もできなかった。
ただ悔しくて、自分の愚かさを悔やんだ。

まるで幼い子どものように情緒不安定な俺を修二とハルは受け止めてくれたんだ。

俺の滅茶苦茶で支離滅裂な話をそのまま、ずっと聞いてくれた。

ずっとそばにいてくれた。

一緒に泣いて怒ってくれた。

『俺たちは何があっても颯多の味方だから』

『もう一人で頑張らなくていい。出来ないときは出来ないって言え。辛かったら甘えてこい』

『俺たちの前では、プライドしまってよ、そしたら俺がおまえの鎧脱がすからさ』

『俺たちのこと信じてよ。ね』

そう言って抱きしめられたんだ。

俺が大人しく抱きしめられていると聞こえてきたのは、

『よかった。これでおまえを遠慮なく守れる』

そんな修二の声だった。


そうだ、それからずっと修二もハルも、俺のことを・・・守ってくれてるんだ

何かあると心配してくれて、俺が機嫌いいと一緒に喜んでくれた。

いつだって、一人じゃないって言ってくれてたんだ。

今回だってそうだ。
何も変わらない。
だから俺はここに来たんだ。


でもいい加減、顔あげないと。