教室まで恭夏を追いかける。


「恭夏!」


恭夏の隣にいた奴が驚いていたがそんなの関係ない。


「……久しぶり、悠…」


何が久しぶりだ。


どんだけ心配したと思ってんだよ。


「!!!恭夏って悠君と知り合いなの!?」


「あ、えっと〜、知り合いというか幼なじみというか、なんというか「ちょっと来い」ってちょっと悠!離してよ!」


俺は恭夏の腕を引いて屋上に向かった。


途中、恭夏が反論してきたがそんなの無視だ。


屋上につくと恭夏の腕を離した。


「よく私だってわかったね」


「当たり前だろ」


「どこが?カラコンもしているし髪だって染めているのに」


そんなので隠し通せるかよ、その可愛さを。


「いや、見ればわかるだろ。だいたいそんなんでお前の可愛さが隠せるかっつーの」


「ねぇ、私のどこがかわいいの?こんな地味な女。ていうか、この変装でようやっとマシになったと思うんだけど」


「お前、まだわかってねぇーの?ほんと相変わらずだな」


幼稚園の頃もダントツで可愛かったのに一向に認めなかった。


「なるほど、皮肉ですか!あーそうですよ、私はかわいくありませんよ」


は?


「どこをどう捉えたらそうなるんだよ…」


「ハイハイ、わかりましたー(棒)」


「すっげー棒読み感。」




「で、本題はなに?」





俺が聞くことなんてひとつしかねぇだろ。


「お前も薄々わかってんだろ。お前、あれからどこにいたんだよ」


「…関係ないでしょ」


なんだよ、それ。


「関係ないわけないだろ、隆文(たかふみ)さんも心配してる。」