悠side


俺は華木学園に入学した。


幼稚園から華木学園系列の所に行っていたからエスカレーター式で。


特に行きたい高校もなかったし、華木学園に行っていたら将来は安泰決定だしいいことづくめ。


入学式の日はモデルの撮影日で行けなかった。


まあでもあのうるさいメス豚共の奇声と猫なで声を聞かないだけマシだろう。


若干女嫌いだ。


入学式の次の日、初めて華木学園に登校した。


相変わらず女共はうるさい。


でもお得意の営業スマイルで答えていく。


めっちゃ疲れる。


そんなことを思っていたら1人だけ滅茶苦茶かわいい子がいた。


その子の周りだけオーラが違うみたいな感じ。


でも、よくよく見るとあいつに似ていた。


あいつとは俺の幼なじみで初恋の相手である恭夏のことだ。


輪郭、顔のパーツ…


目の色と髪の色は違うけど、生き写しみたいだ。


「…恭夏？」


思わず声に出してしまった。


声に出した途端、その女の子は走り出した。


もしかして、本物の恭夏か！？


俺は慌てて追いかけた。