「俊樹 海から戻ってすぐ 彼女と別れたんだよ。多分 悠香のこと 忘れられなくて。」

務は 思いがけないことを言う。


「バカ、余計なこと 言うなよ。」

焦った顔で 務を止める俊樹。

ハッとして 礼奈を見ると


「なんだ。悠香と同じじゃん。」

止める間もなく 礼奈も 言ってしまう。


「はぁ?」

務は 驚いた顔で言い


私と俊樹は 苦笑して 見つめ合う。


「そうだったの?」

俊樹に聞かれ 私は 頷く。

「俊樹も?」

俊樹は 手を伸ばして 私の頭を撫でた。



食事中なのに。



務と礼奈が 見ているのに。