「プッ……ゆり、泣きすぎだって……。ゆりが嬉しくて泣いてるのは分かるけど、俺はちゃんと返事がほしいな、やっぱり」




泣きじゃくるわたしの頭を優しく撫でて愛しそうな声でそう言ってくる伊織くんに、わたしはますます涙が止まらなくなった。


それでもやっとのことでちゃんと言葉にする。






「…っ、わたしもっ…世界で、一番伊織くんが大好きっ……。だからっ…だからっ…伊織くんと結婚、する……っっ」






「……ん。よくできました」


それだけ言って、伊織くんはわたしが泣き止むまでずっと抱きしめてくれた。




……………………


………………




「……伊織くん、わたしの夢、叶えてくれてありがとう」


「…夢?」




「…うん。“世界で一番大好きな人と結婚する”っていう夢。恥ずかしいけど、これがわたしの小さい頃の夢だったの…」