わたしの手は伊織くんに繋がれたままなので、グイッと腕を引っ張られる。


もう一度どこへ行くのって聞いても返事をしないから聞くのは諦めて、わたしの手を無言で引く伊織くんの後をわたしも黙ったままついていく。




食事に行くのをやめたというから家に帰るのかと思っていたら、ついたのは駅から家に帰る途中の公園だった。


なんでまたこの公園に…


しかも夜だから暗くて誰もいないし…




そう思った瞬間、わたしの身体はギュッと暖かな温もりに包まれた。


「え…」




「はぁ…やっと抱きしめられた……。マジであんなところでいきなり大好きとか言うゆりが悪い。こうなったらもう、気が済むまで抱きしめて補給するしかない」




うそっ…//

あれ、声に出てた……?


心の中で呟いたつもりだったんだけどっ…