「なぁーんだー、彼女いないのか!!今日ずっとモヤモヤしてたのに」




「葵の頭の中は空っぽなんだな」




「そうそう、だから晴くんのことばっか考えちゃう……って違うわ!」




「あは、じゃあもうこれで気になることない?」




「うん、ない!」




「ん、じゃあ帰ろ。送るけど」




「え!むしろ私が送ってあげる!」




「なんでだよ」




「ほら、晴くんカッコいいけどキュートでもあるからそこらへんのおじさんに狙われちゃうかなって!!」




「俺、一応武道習ってんだけど」




そこら辺のおじさんなら倒せるよ、と軽く笑う。




「そっか、じゃあ駅まで一緒に帰ろ。方向反対だったけ?」




「そー、俺上りの電車」




「引っ越そうかな」




「どこからそんな無駄な発想力湧いてくるの?」




「女子高生なめちゃいかんのだよ」





「こんな女子高校生はお前だけだ」




「はは。じゃあまた明日学校でね!」





駅に着き、晴くんとホームで別れて手を振る。