「何間抜け顔してるの」




「え?いやだってなんで?」




「んー、たまたま?」




いやいや、たまたま後ろにいることある!?




もしかしてだけど、実は晴くんって私の…




「………ストー」




「違うから」




「だっよねぇ!?私じゃあるまいし!」




大声で笑えば晴くんは少し迷惑そうに顔をしかめた。




「なんだよ、元気ないかと思ってたけど元気じゃん」




「運命的な出会いに感動しておりまして……」




「あー、それね。電話越しにあのモニターの音楽聞こえたからさ近くにいるのかなって。さっきカラオケ出たばかりだし」




晴くんが指さした方に目を向ければ、先ほどまでは雑音だと感じてた大きなモニター。