「…ずるいのは、どっちだろうね」




「え…」




なにか詩音先輩がボソリと呟いたと思うと、目の前がふと暗くなって。




詩音先輩の唇と私のそれが、重なった。




「んっ…詩音せんぱっ…」




「…うん、やっぱり可愛すぎてずるいよ、芙羽梨は」




さっき見せた余裕そうな顔が崩れていて、瞳には赤く染まった私が映っている。




「っ…」




「ね、もう1回…いい?」




詩音先輩のおねだりに、無言で首を縦に振る。




日曜日に伝えることの緊張なんて忘れ、もう一度唇を重ねた。