「あいにく、今日は部活お休みの日なんです」

「そうなんだ」

彼は近くにあったボールペンを手に取り、くるくると回し始めた。ボールペンはそれが当然かのように滑らかに動いた。


「ねぇ、先生。前世のこと教えて下さいよ」

「 ん?あぁ、いいよ。俺はね平安時代の人なんだよ。妻が五十人いてね、今日も会いに行かないといけなんいんだ。妻問婚だね。あ、でも今日は満月だから難しいかもなあ」