そんな彼女が国語に価値を見出すようになったのは彼の国語に出会ってしまったからであった。 「最後この問題解いて終わろう」 教科担当の先生の声が彼女の意識の中に割り込んできた。 今は数学の授業だった。 時計はあと五分で授業が終わると言う。