友人の顔は真剣だった。そこには純粋な恐怖が芽生えていた。

「冬香ちゃん、気をつけて。たぶん目つけられてるから…。何かされたらすぐ言って」


「うん、わかった。ありがとう」


「彼女の名前、江川 瑠美(えがわ るみ)よ」


彼女はそう言ってまた歩き出した。安定しないリズムだった。