今日の放課後旧校舎で渡すか…



そう思って翌日はずっと紙袋に入れたブランケットを持ち歩くことにした


「おはよう園川くん!」

「おはよう」

「その紙袋なにぃー?」

「よお真一!なんだそれ見せろ見せろ」

「借り物だよ」

「女か?女かぁぁぁ!」

「ええーうっそぉぉぉ!」






うっぜぇぇぇぇぇぇぇ!


うぜぇうぜぇどうした


今日一段と腹立つんだけど!?


うぜぇてまじ絡んでくんなて!


「ちょっと失礼」


誰かに呼ばれたふうにして廊下に出る


はあああああああ…


誰か助けろ


なんだ今日


元気すぎねぇか?まじうぜぇんだけど


笑顔のまま脳内ではビックバン並の大暴れをしている俺の視線をさっと横切る何か…


俺に声をかけない人はかなり珍しい


まあ陰キャ組かなと思った


自然とその人物を視線が追う


あれは…


確か、西村さん


小さなじょうろに水を入れている


ああ…シクラメンか


確かこの人毎日水やってたよな


俺には気づいている様子がなく


冷たい水を手に受けて顔をしかめている





そのまま小走りで教室に戻っていった


西村…華乃?だっけ


へー…誰かに見られてなかったとしてもやってんのかな


俺だったら花に水やる優しい男を見せつけるためにやるだろうけど


おそらく彼女は違うんだろうな…


思わず彼女の背中を追って教室に戻ると


案の定先程の一段とうざい連中に絡まれた