翌日も同じように旧校舎へ向かった



いつもの音に耳を済ませて座り込む



ほんとに綺麗な音だな



いつも同じ曲だけど飽きない


むしろ永遠に聴いていたい


落ち着く




誰が…


いつもより暖かい夕日を受け、


なんだか聴いているうちにまぶたが重たくなってきた


優しいピアノの音に絆されるようにして



そのまま意識を離した





ーー


「ー 園川くん」







「園川くん」






なに


ぼやっとする意識の中で俺を呼ぶ優しい声


一瞬ストレスで死んで天使でも迎えにきたかと思った


でも優しい声と日差しに眠気は勝てず、目はしっかりとは開かなかった


髪に触れそうな綺麗な指を一瞬だけ視界に捉えて再び眠りにつく


あ…もしかして…



ピアノの子かな…