必要最低限の物しか置いていない
なんの面白みもない
私の家への初めての訪問者は

家族でも

友達でもなく

立花先輩。


とりあえず座ってくださいと声をかけると
立花先輩はソファへ深く座り

大きく深い息を吐いた

その様子はどこか苦しそうだけど

今は見て見ぬふりをして


「そのシャツ脱いでこれ着ててください」


大きめのパーカーを立花先輩へ渡す



「うん」

そう一言呟いて立花先輩は私からパーカーを受け取る

すぐ私は背を向けて
立花先輩が着替えるのを待った


静かな空間に立花先輩が着替える音だけがする


そこまで広くないワンルームの私の部屋に

男の人と二人きり


もちろん男の人に免疫のない私は
今のこの状況が少し居心地が悪い

自分の意思で立花先輩を招いたんだけどね。