結局私の家の前まで会話をすることはなかった



何も話したくないなら
それでも構わないと思っていたけど

だけど本当にそれでいいのかな


誰も手を差し伸べないなんてそんなの悲しすぎる


「送ってくれてありがとうございます」


ヘルメットを渡すと

立花先輩は前と同じように

ヘルメットを受け取る前にまず乱れた私の髪を整えてくれる


先輩のシャツの袖に少し私の血が付いてる


「先輩…時間あるなら

家上がっていってください」