震える手に

滴る汗

呼吸もどんどん早くなっている



これは異常だと思った私は咄嗟に怪我をしてない方の手で先輩を引き寄せ抱きしめた



「先輩!大丈夫だから

ゆっくり深呼吸して」


ドクドクと伝わる立花先輩の鼓動


落ち着かせるためにトン、トンとゆっくりなリズムで立花先輩の背中を擦る


「血が…」


「大したことないから

だからゆっくり深呼吸してください」


「ごめ…んっ」


「大丈夫ですから」


怪我の痛みも忘れて

私は必死に立花先輩を落ち着かせた