「こうすると一緒に入れるな」

 淡々とした口調で光一は言ってくる。

 いやっ。
 なんかすごく密着してますけどっ?

 肩だけですが、密着してますけどっ?

 貴方は、なんてことなさそうな顔してるのに、私ひとりが動揺してて、滑稽なんですけどっ?
と思う花鈴を見下ろし、光一は更にトドメを刺すようなことを言ってきた。

「俺は、お前のことをもっと知りたい」

 整いすぎて面白みのないイケメン顔だとと普段思っているくせに。

 二人で、ひとつのブランケットに入り、間近で見るイケメン様の迫力は凄まじく、花鈴は、思わず、えっ? と赤くなってしまったが。

「ラブラブに見せかける必要があると言ったろう。
 俺は完璧主義なんだ」
と光一に言われてしまう。

 だが、まだ、動揺したままだったので、
「でも、その割に計画杜撰(ずさん)ですよね」
と心のままにしゃべってしまった。

 ……すみません。