赤子にまで嫉妬しそうな光一のベッドの上で膝枕をしてみたが、光一は、

「練習の成果が感じられないが」
と膝の上で目を閉じて言う。

「めちゃくちゃ強張(こわば)ってるな……」

 はあ。
 やっぱり、だあだあ言ってる赤ちゃんを膝にのせるのとは訳が違いますよね……。

「ラブラブどころか、苦行のような雰囲気を感じるから、やめとくか」

 そう苦笑して、光一は起き上がる。

「お前にとっては、恋人同士の語らいも、いろいろと大変なようだな」
と言って、軽く花鈴の頭をぽんぽんとしてくれた。

「……す、すみません」
と赤くなって、花鈴は俯く。

 なにぶんにも初心者なもので、とあの初めての夜のことを思い出していた。