ひーっ。
 勝手にこんなことして怒られないだろうかっ。

 みんなが盛り上がってしまったので断れなかったんだがっ、と思いながら、花鈴は女子社員のみんなで作ってくれたブーケを握りしめて思っていた。

 光一が微笑み、自分を見つめて言ってくる。

「そう言うな。
 お前になにかしてやりたいんだ。

 ……みんなが祝福してくれるこの瞬間が本物の結婚式のような気もするが。

 あの写真を撮った瞬間も、俺たちの縁をつなぐための式だったような気が今はしている。

 だがまあ、それはそれとして、また式は挙げよう」

 光一は、そこからは小声で言ってきた。

「……何度でも結婚したら、何度でも初夜が迎えられる気がするしな」

 な、なにを言ってるんですか、この人は、と花鈴はまたブーケを握り締め、赤くなる。

「お前となら、何度でも結婚して。
 何度でも式を挙げよう」

 そう光一は言ってくれた。