大きく開いたドレスの後ろから覗く、花鈴の白い背中に見とれていると、花鈴が振り向いた。
メイク下手だと言う花鈴は、いつも、本当に化粧してるのか? と問いたくなるくらいの薄化粧なのだが、今日は綺麗にお化粧してもらっていた。
「あ、あのですね」
と花鈴が赤くなって言う。
「私が此処でいろいろ堀口さんに相談してたの、みんな聞いてたみたいで」
このボケが……。
「このパーテーションは罠ですっ」
と何故か花鈴はただそこに立っているだけのパーテーションに罪を着せたあとで言ってきた。
「それで、あの……
みなさんが、お祝いしてくださるそうですっ!」
「専務っ、西辻さんっ、ご結婚おめでとうございますーっ」
と言って、隠れていた社員たちがクラッカーを鳴らし、次々現れた。
何も知らずに廊下を通った常務が、うわっ、なんだねっと驚き、常務と一緒に居た監査役は、知っていたのか、ニコニコ笑っていた。
……なんでも知ってるんだな。
俺の個人的なことまで監査されてそうだ、と光一は密かに怯える。
メイク下手だと言う花鈴は、いつも、本当に化粧してるのか? と問いたくなるくらいの薄化粧なのだが、今日は綺麗にお化粧してもらっていた。
「あ、あのですね」
と花鈴が赤くなって言う。
「私が此処でいろいろ堀口さんに相談してたの、みんな聞いてたみたいで」
このボケが……。
「このパーテーションは罠ですっ」
と何故か花鈴はただそこに立っているだけのパーテーションに罪を着せたあとで言ってきた。
「それで、あの……
みなさんが、お祝いしてくださるそうですっ!」
「専務っ、西辻さんっ、ご結婚おめでとうございますーっ」
と言って、隠れていた社員たちがクラッカーを鳴らし、次々現れた。
何も知らずに廊下を通った常務が、うわっ、なんだねっと驚き、常務と一緒に居た監査役は、知っていたのか、ニコニコ笑っていた。
……なんでも知ってるんだな。
俺の個人的なことまで監査されてそうだ、と光一は密かに怯える。