「まあ、とりあえず、おめでとう。
でも、まだわからないからな。
光一が未智の魅力にまいって、浮気するかもしれないから」
未智ちゃん、今、何歳でしたっけね……と思いながら、コーンスープを手に、じゃ、と去っていく安芸を見送った。
「見るか? 写真」
と一緒に見送っていた光一が、ふと言ってきた。
「あ、持ってきてくださったんですね」
光一はそれを見せようと、此処で待ってくれていたようだった。
「以前は会社に置いてたんだけどな。
見合いを勧めてくる相手に見せるために」
その写真はケースに綺麗に収まっていた。
ぎこちなく写っている二人に、よくみんなこれで騙されたな、と思ってしまう。
「もっと乱雑に扱われてるのかと思ってました」
と立派なケースを見ながら、苦笑いして言うと、
「だって、これは結婚する予定などない俺の、生涯ただ一度の結婚写真だと思ってたからな」
と言われて赤くなる。
いや、する予定にないから、大事に持っていたというだけなのに。
今言われると、最初から、生涯、お前ひとりだけだと思ってた、と言われている気分になってしまう。
でも、まだわからないからな。
光一が未智の魅力にまいって、浮気するかもしれないから」
未智ちゃん、今、何歳でしたっけね……と思いながら、コーンスープを手に、じゃ、と去っていく安芸を見送った。
「見るか? 写真」
と一緒に見送っていた光一が、ふと言ってきた。
「あ、持ってきてくださったんですね」
光一はそれを見せようと、此処で待ってくれていたようだった。
「以前は会社に置いてたんだけどな。
見合いを勧めてくる相手に見せるために」
その写真はケースに綺麗に収まっていた。
ぎこちなく写っている二人に、よくみんなこれで騙されたな、と思ってしまう。
「もっと乱雑に扱われてるのかと思ってました」
と立派なケースを見ながら、苦笑いして言うと、
「だって、これは結婚する予定などない俺の、生涯ただ一度の結婚写真だと思ってたからな」
と言われて赤くなる。
いや、する予定にないから、大事に持っていたというだけなのに。
今言われると、最初から、生涯、お前ひとりだけだと思ってた、と言われている気分になってしまう。