「光一は、好きでもない相手には頼まないよ。
ああ、王子様がタクシーで来ちゃったよ」
とチラと後ろを見て言った。
脇道に入って安芸が車を止めると、すぐ後ろにタクシーが止まった。
光一がすぐに降りてきて、タクシーの運転手さんがちょっと興奮気味に言っているのが聞こえてきた。
「いやあ~、この間初めて、あの車を追ってくださいって言われて、タクシー追いかけたんだけど。
またそういうお客さん乗せてなんだか楽しかったよーっ」
……いつもこの辺流してる人なんだな、と思いながら、安芸とふたり、車から降りると、息を切らせて光一がやってきた。
「大丈夫かっ、花鈴っ。
安芸さんに、なにかされたかっ?」
「いや……運転してただけだよね、僕」
今の十分くらいの間にどうしろというの、と誘拐犯に言われていた。
ああ、王子様がタクシーで来ちゃったよ」
とチラと後ろを見て言った。
脇道に入って安芸が車を止めると、すぐ後ろにタクシーが止まった。
光一がすぐに降りてきて、タクシーの運転手さんがちょっと興奮気味に言っているのが聞こえてきた。
「いやあ~、この間初めて、あの車を追ってくださいって言われて、タクシー追いかけたんだけど。
またそういうお客さん乗せてなんだか楽しかったよーっ」
……いつもこの辺流してる人なんだな、と思いながら、安芸とふたり、車から降りると、息を切らせて光一がやってきた。
「大丈夫かっ、花鈴っ。
安芸さんに、なにかされたかっ?」
「いや……運転してただけだよね、僕」
今の十分くらいの間にどうしろというの、と誘拐犯に言われていた。