「あ、みんな集まってたの?」



資料室の扉が開かれ、碧斗くんが入ってくる。




「碧斗くん」



私と別れてどこへ行っていたのか気になるけど。




「碧斗、いい所に」



「ん?」



恣枦華くんは碧斗くんが現れてすぐに声を掛ける。



「ヒント訳せたんです」



私達に近寄り、朱巴さんが碧斗くんに伝える。



「えっ本当に?」



「ああ、でも、不可思議なんだよ」




「ふーん、秘めているヒントなんだね」



「そうなんです」



「それ、ヒントって言うの?」



碧斗くんは不思議そうに目を細める。



「どうだろうな」



「まあ、そのヒントから探すしかないですよね」



「そうだよね」




「あ、沙紅芦ちゃん」



「?」



碧斗くんが私を呼び近付いてくる。




いつもの行為の為という感じではないようだ。




「ん?」



碧斗くんは何かに気付きキョロキョロと辺りを見渡す。



「あれ、紫衣羅は?」



「紫衣羅くんなら、猫ハウスじゃないですか?」



「ああ、そうなんだ」



(また猫ハウスにいるんだ。

紫衣羅くん、よく猫ハウスいるよね。
この前もいたし)




「何か用事でもあるの?」



「そうなんだよ、ちょっと来てほしくて」



「わかった」



頷き私は、碧斗くんに付いて外へ出た。







「何?」



猫ハウスに向かい中へ入ると、朱巴さんに言う通り、紫衣羅くんがいた。




紫衣羅くんは猫達におやつをあげている最中だった。



「あのさ、ちょっと見てほしいものがあるんだ」



「見てほしいもの?」



「まあ、いいけど」




特に疑問を持つこともなく承諾し、とりあえず猫ハウスを出る。





「よくそこ居るよね」



「まあね、猫は癒やされるからな」



「ふーん、そうだね」



紫衣羅くん、猫大好きだもんね。