「まあ、朱笆と紫衣羅が解いてくれた感じ」



「そうなんだ」



「僕も助かりましたよ」



「あいつって頭良いよな、思ってたけど」



確かに紫衣羅くん、頭良さそうだし。



でもこの前、ドイツ語は、まだ習ってないから出来るかな、とか言っていたのに。



「もしかして、語学とか得意なのかな」








「ところで、碧斗くんは一緒じゃないんですか?」



「確か、同じ分担だったよな?」



「うん、どっか行っちゃって」



今日は碧斗くんと掃除だったんだけど、終わって資料室に誘ったら、「先行ってて」と言われた。



部屋に戻るのかなっと思ったけど、別の方向へ向かっていった。



そういえば最近、碧斗くんお屋敷の中を徘徊しているとか、朱笆さんが言っていたような。



(何してるんだろう・・・・)



気になるけど、気にしない方がいいのかも。




「まあ、いいや、後で」



「そうですね」



【大事なものとは、心の中にあって決して見る事はできない。そして、本当の想いに隠されている】





ヒントの訳が解り、朱笆さんが教えてくれる。




「どういう事なんだろうな、これ」



恣枦華くんが悩むように頭を傾ける。



(大事なもの?・・・・感情?)



確かにどういうことなんだろう。



「なっ よくわかんねえだろ?」



「う、うん」



確かに、よく分からない言葉だけど、なんとなく分からなくもない。




「難しいね・・・・」



「ですが、これがヒントなんでしょうね」



「このヒントを軸に導き出せって事か」



これは、私達にとって大事な想いなんだろう。



でも、これだけじゃあどうしようもない気がする。