「とりあえず、順番に見ていくしかないよね」




「そうだな」




色々悩み込んでも仕方ないので、資料室にある本を一冊一冊、見ていく事になった。




ヒントのある本があると言われても、どの本かさえも分らないが・・・・・・・・。




(うーーーん、わからないな)




それから数日、本を見続けているがヒントらしきものは見つかっていない。




ただこの資料室にある本は、どれも面白そうな本ばかりあるから、読んでみたくなる本がたくさんある。




その日、朱巴さんと資料室で本を見ていた。




たまたま手に取った本の目次のページを開ける。




「・・・・・・・・」



(?)




すると、目次に気になる文章が書いてあった。



「これ・・・・」



「沙紅芦さん、どうかしました?」



私の声に近くにいた朱笆さんが聞いてくる。



「えっあ・・・・」




目次の列に゛大事な感情とは゛と書かれた文章があり、その横にはうさぎのイラストが描かれている。




(多分、これだ・・・・)





尋ねてきている朱笆さんに、私はばっと本を見せた。



「これじゃあ、ないですかね?」



「ん?

ああ、確かにそれぽいですね」




朱巴さんは本を手に取り、パラパラとページをめくる。



「ようやく1つ見つかりましたね」



私は少し喜ぶ口調で朱巴さんに言う。




「?」



すると朱巴さんは、少し微妙な表情を見せた。




「でも、これ中身があれですね・・・・」



「? 何かおかしいですか?」



「あ、いやそうではなく」




朱巴さんは見ていたページを私に見せてくれる。



そこには、びっしりと英語らしき文章で書かれていたページが広がっていた。



(これは英語・・・・でもなんか違う気が)



英語の文章ぽいけど、単語を読み取ろうとしても、いまいち読み切れない。




「これは・・・・英語じゃないですね?」




「はい。多分だと思うんですけど・・・・ドイツ語かと」



「分かるんですか?」



「いえ、ここにドイツ語と書かれているので」



そう言って、そう書かれている場所に指を押さえる。



(あ、本当だ、ドイツ語表記って書かれている)