「この奥も行けたするのかな?」



碧斗くんは奥へ続く廊下を見据える。



「わかんないけど・・・」



確かめるために奥へ進もうとするが、途中で足が止まる。



思った通り結界が張ってあって奥まで行く事は出来なかった。




「ここまでみたい・・・」



「そっか」




行く事が出来ないことに理解した碧斗くんは、結界が解かれた場所にある観音扉をそっと見据える。



「じゃあ、この部屋・・・」



「開いたってことは開くって事だと思うけど・・・」



私はスカートのポケットから、束になった鍵を取り出した。



「どの鍵だろう」



「この部屋がなんの部屋なのかは分かんないんだよね?」



「うん・・・・」



「とりあえず、使っていない鍵を刺し込んでみたら?」



「そうだね・・・・」




どの鍵かは分からないけど、碧斗くんに言われた通りとりあえず適当な鍵を鍵穴に刺してみる。







【ガチャ】



「・・・・あ、開いた・・・・」



適当に選んだ鍵だったが見事に当たったようだ。



「この鍵なんだ・・・・」



開いた鍵をよくみて見ると、持ち手のところに゛b゛と刻まれている。



「b?」



「何か意味とかあるのかな?」




「さあ」



何か意味もありそうだけど、単にこの部屋がそういう名前かもしれない。




「とりあえず、開けてみようか」



「うん・・・・」



考えるだけ無駄なので扉を開ける事にした。



観音扉の右側の扉を開ける。



けど、中は窓もなく暗闇で静まり返っていて何があるのかよく見えない。



碧斗くんが電気のスイッチを探しに壁際を触ると、案外、扉近くにあった。



灯りが点くと、目に入ってきたのは無数の本が入ったたくさんの本棚だった。




「これは図書室?・・・・いや、資料室?」



「・・・・すごいね、本がたくさん」



「うん、本当ーーー」








【ゴ━━━━━━━ン】









「!?」



「!」




碧斗くんの言葉が途中で遮られるように、突然、大きな鈍い音がお屋敷全体に鳴り響いたのだった。