「・・・・・・・・」



(ここって確か・・・・)



ふと気が付くと、ある場所の近くまでやってきて来ていた。



そこは、もらったお屋敷の地図にも真っ白で何も書かれておらず、行くことが出来ず行き止まりとなっていた場所だった。





「ここって、行く事が出来ないんだよね?」



「うん。どういう訳か結界みたいなものが張ってあって、前に進めないんだよ」



「そう・・・・」




(本当に進めないのかな・・・)




この時私は、何を思ったかは分からないが、なぜか前へ進める気がした。




「沙紅芦ちゃん、行けないよ?・・・何して!」



気がつくと私は、進めないはずの場所を進もうと足を進めようとしていた。



「多分だけど、行ける気がするの」



「えっ」



結界がある場所に私はそっと手を伸ばし、ゆっくりと足を踏み込んだ。



「嘘・・・えっ・・・入れた・・・!?」



「みたい・・・」



進める気はしていたが、まさか本当に行けるとは思っていなかったので、自分でも驚きだ。




「・・・・・」



「碧斗くんも入れると思うよ」



「・・・う、うん」



少し戸惑いながらも碧斗くんは、結界の中をゆっくりと足を入れた。



「!?・・・本当に入れた・・・なんで?」



「わかんない」



もしかして、さっきの音はこの結界が開く合図だったのかもしれない。



でも、どうして碧斗くんには聴こえず、私だけに聴こえたんだろう。



だとしたら、他の人も聴こえていないって事?