「えっと、体は大丈夫?」



「うん」



「そっかよかった」



「あの、ごめんね」



「いいよ、気にしないで。俺は君からお疲れ様が聞けるならなんでもやるから」



恥ずかしがる事もなく、さらっと嬉しそうに笑顔で言う。



「あ・・・・そっか」



「ふふふふ・・・・」



「・・・・・・・・」



(なんか、ちょっと怖い感じだな)



やはり、この碧斗くんのテンションの近付きようにはまだ戸惑いを感じる。




(うーーん)



きっと彼は明るい人なんだろう。



私とは正反対の人・・・・・・・・。



いや、ここにいる人達はみんな私とは正反対で、本当に羨ましくなる。




「あ、終わった?」



その後、紫衣羅くんが畑に訪れに来た。



「終わったよー」



「随分、嬉しそうな顔してるね。昨日言った時とは大違いだね」



「・・・・そうかな~?」




紫衣羅くんの言葉に碧斗くんは、あさっての方向を見やる。



「たく・・・・。ところで、抱きつきてないよね?」



「抱きついてないよ、今日は」



「今日は、ねぇ・・・・」



゛今日は゛という碧斗くんの言葉に、怪しむ表情を見せる。




「まあいいや。掃除、碧斗の分残してるからやっておいてね」



紫衣羅くんは特に気にもせず普通に碧斗くんに言う。



「残したんだ・・・・」



「うん、残した」



「全部やってくれてもよかったのに」



そう言って、口を尖らせて紫衣羅くんに言う。



「そんな事、俺はしないよ。自分の分担は自分がすべきでしょ。そう決めてるだろ」



「あーそうでしたね、わかったよ」



「うん、いってらっしゃい」



少し不満気ながらも、自分の分担の仕事をしに行く碧斗くんを、後ろから紫衣羅くんはにこやかに見送ったのだった。