「・・・・・・・・」



学校では基本、私は1人なのでいつも本を読んで過ごしている。




この日も私は好きな小説本を読んで休み時間を過ごしていた。



すると、クラスメイトの女の子2人がある会話をしていて、その会話がたまたま耳に入ったのだった。



普段ならクラスメイトの会話など聞くことなど一切しないのだが、その日はどういう訳かその会話が気になってしまった。




「ねえ、知ってる?」



「何が?」



「南町にあるうさぎカフェあるじゃん」



「あーあそこね。かわいいよね、ウサギ」



「あそこって昔、神社だったらしいよ」



「えっ神社?」




「すっごく小さい神社だけどね。」



「へー」



「でも今は小さな祠と倉庫しかないらしいよ」



「詳しいんだね」



「うん、この前行って来たからね。
でね、ここから凄いんだよ」



「凄い?」



「なんと、その倉庫に自分の大事な物を、倉庫の前に置いて、次の日来るとなくなってるんだって」



「何それ?泥棒?
てか大事な物って何?」



「違うよ。大事な物って言っても、どうしても手放せない物を、代わりに倉庫に保存してくれるんだよ」



「そこの管理の人が?」



「ううん、神様」



「はっ?」



「神様が願いを聞いてくれて、中に保存してくれるんだよ」



「倉庫なのに、神様?」



「うん」



「・・・・・・・・嘘でしょ?」



「本当だよ。管理の人は倉庫の鍵とか持っていなくて、1年に数回開いている日があるくらいで、その時に掃除とかするらしいよ」



「開いてるって何?開けてるんでしょ?」



「ううん、神様が開けてるんだって」



「そんなの、ありえないでしょ」



「私も最初はありえないっておもったんだけど、本当に本当だったんだよ」



「えーーーー」



「もう、信じてないでしょ」



「うーーーん」



そんな会話を終えると、2人は教室を出ていった。



「・・・・・・・・大事な物、神様・・・・」



その時、私は2人の会話がどうしても気になって、耳から離れずにいたのだった。