「とりあえず、ここで生活をするんだし、分担を決めようか」



朝食を適当に済ませた後、本題を切り出すかのように、紫衣羅さんは私達に言う。



「ああ、そうしようか」



その言い分に誰一人反論はなく全員が頷きを見せる。



「分担って・・・料理や掃除とか?」



「うん、そんな感じ。それを順番にまわしていこ」




「さっきさ、庭の方見たんたけど、小さめだけど畑とか温室や小屋あったから、あれ使えそうだから何か育てよう」



紫衣羅さんは何気なくそう言う。



「じゃあ、種とか色々書いておくか」




「小屋には動物などいたんですか?」



続けるように、朱巴さんは紫衣羅さんに尋ねる。




「そうですね、色々いましたね」



「そうですか。なんか、この為だけに入れたみたいですね」



「その言葉通りだろ。その為にこんなところ作ったんだから」



「だろうなー」




「あーあと、料理できない奴いる?無理ならペアするけど」



(あ、私できない)



紫衣羅さんの尋ねに、そっと小さく手を上げる。



「私、できないです・・・・」



「了解。あとは、いないか」



(えっみんな出来るの?)



「じゃあ、やる事と順番を決めるか」



紫衣羅さんはテキパキと決めていく。




決めごとも淡々と終わり、今日はその準備だけで終えた。




「大事な想いを、探せってつってもなー」



それから暫くして話しの内容は、カラクリウサギが言った言葉について話し合っていた。



「困りましたよねー」



「・・・・・・・・」



「大事な想いね・・・・」




この時、私達は何も知らなかった。



いや、分からないでいたんだ。




なぜ、ここに連れられてきたのか。



なぜ、ここにいるかという事に。




私がすべてを意味をする事も、何もかも・・・・。