「さて、これからの事ですが、続けて探し訳してください。あれだけではわかりませんので」



カラクリうさぎは淡々と説明を向ける。



「そう・・・・」



まあ、それが妥当だろう。



(続けるんだ。そういや、何冊かあると言っていたもんね)



するとカラクリうさぎは、続けるように私達に言葉を向ける。



それはまるで、教師のような淡々な言い分で・・・・。



「まあ、すべて訳しても簡単に理解できるとは思わないでくださいね。
何度も言いますが、あなた方は何かが欠けているんです。沙紅芦さんに関しては大切な物が何もないんですから、記憶を消したのだってそれが原因で消したのだと捉えて貰っても構いません。
本当に想うものは心の中にあるとは思わない方がいいですよ。見つかるといいですね、大事な物」



そして、いつものように嫌味ぽく向けられる。




「では、また刻がきたら呼んで下さいね〜」



カラクリうさぎは何事もなかった素振りで消えていった。




「相変わらず嫌な言い方」


消えていったカラクリうさぎに向かってぼそっという恣枦華くんに対して碧斗くんは「初めからでしょ、あの言い方は・・・・」と言う。



(何もないのか。でも、多分その通りだろうな)



私には何もないんだろうな・・・・。