「私達の為って」


それって、どういう意味なんだろうか。



「そのままの意味ですよ。あなた方は私の用意した試験に協力してクリアしてくれましたよね?」


「う、うん」



「その時に、誰かを置いて行く事や宝探しの時に中々答えが出ないからって放置したりしました?しませんでしたよね?」



それっていわゆる根本的な事?



「そんなのする訳ないだろ?だって、ここだけの仲だとしても仲間だし」


「そうですよね、出来るわけないんですよ。それが普通です」



やっぱりこの子が言いたい事って・・・・・・・・。




「協調性とでも言いたいの?」



と、一番先に述べたのが碧斗くんだった。



「まあ、そういう事ですね」


(協調性・・・・)



そうか、この試験は自分の心の中にある思いを理解する他に協調性も担ってもらう為でもあったんだ。


でも、協調性なんか・・・・既に・・・・。



(紫衣羅くん達はあるかもしれないけど、私にはなさそうな気がする・・・・)




「その為の試験だったのか」


恣枦華くんは納得するかのように頷きを見せる。



「それもありますけど」



「?」



「本来はあなた自身ですからね」



(私達自身?)



やっぱそういう事だったんだ、全部、その為の。



「俺ら自身・・・・」



゛自身゛という言葉になぜか紫衣羅くんは何か思う仕草をする。




(紫衣羅くん?)


むしろ悩むような感情の方が強い気がする。



(どうしたんだろう・・・・)



でも、聞くべきではないのだろうと、思いとどまる。



「そろそろ時間ですね、元に戻しましょうか」



「!」



カラクリうさぎは唐突にそう私達に声を掛ける。



「それでは、目が覚めたらまた呼んで下さいね。では、おやすみなさい〜♪」




「えっちょーー!?」


あまりにも突然すぎるカラクリうさぎの行動に言及する以前に、気がつくと真っ白な空間へと消えていたのだった。