息を調えてマシになった所、唐突に━━━。


「みなさまー、お疲れ様です。ギリギリでしたが、間に合いましたね、よかったです」



カラクリうさぎが相変わらずな陽気な声で現れたのだった。



(えっ勝手に)


コンパクトミラーあけてないのに、勝手に現れた事に驚いていると、カラクリうさぎは「今回は特別ですよ、なんせ夢ですから」と察しするように言った。



(夢だからいけるんだ・・・・)






「おめでとうございます♪無事クリアしてくれると信じてましたよ〜」



カラクリうさぎはニコッと鼻筋から上は見えない表情で微笑む。



「・・・・・・・・」



喜んでくれているのはわかるけど、彼女の表情はなんとなく胡散臭くて素直に喜べずにいた。



「あれれ〜?クリアできたのに、みなさん微妙な顔をなさってますけど、どうしちゃったんですか〜?」


「別に」



「うーーん、なんと言いますか」



みんなが微妙な表情をするのも当たり前だ、最初の指令がある意味むちゃくちゃだったから。



「ああ、もしかしてむちゃくちゃでしたかー?」



「お前のしわざか!」



この子が用意したものだったんだ。



なんとなく予想はついていたけど・・・・。




「やですね〜。ちょっとばかり思いましたけど、おもしろかったので♪」



(ちょっと?おもしろかった?)



茶化す言葉に恣枦華くんはカラクリうさぎをじっと睨みつける。


「あはは、やですね〜。そんな怖い顔をしないでくださいよ〜」



だけど、彼の睨みに彼女に効果などあるはずもなかった。