「何か分かった事あった?」



紫衣羅くん達は私事の事だから、協力したくても私自身で見つけ出すしかできないので、待つしかできない。



紫衣羅くんは心配そうに私に覗き込みながら聞いてくる。



彼の言葉に私は・・・・。




「ピンク・・・・」


おもむろにか細い声を出す。



「ピンク?」



私は何気なくポケットからコンパクトミラーを取り出し、開ける事はできないので表面を指で擦る。



「鏡・・・・思い出・・・・」



(もしかして・・・・これって)



何かが出てきそうな感じがして、でも、なんとなく微かなものがあった。




「分かった?」


私が理解した表情になったように見えたのか紫衣羅くんはまた聞きに入ってくる。


「あ、ううん。でもなんとなく・・・・」



そう曖昧な頷きを見せながら足を進めさす。



確実に思い出した訳でも理解した訳でもない。


ただなんとなく、なんとなくそう感じたんだ。




「沙紅芦?」