「色は分かったとして、゛思い出゛かあ」



と、紫衣羅くんはちらっと私の方を見やる。



「って分かる事なんてないよな」



「そうですよね、記憶ないですもんね」



全員がため息を吐きながら、諦めの表情をする。



「俺らの時と勝手が違うからな」



私の場合は、記憶がないから話しの度合いさが違うのだろう。




「何か思い出してる事ってないの?」



「うーーーーーん、うーーん」



そう聞かれても思い出した記憶など何一つとしてないのだけど。



「じゃあ、感情だけで探していくしかないか」



紫衣羅くんは伸びをしながら気だるそうな言い方で言う。



「感情・・・・」



感情で何か分かる事などあるんだろうか。




「それじゃあ、色で何か感じる事ってある?」



唐突に紫衣羅くんは色に対して聞いてくる。


「色・・・・・?」



「うん。記憶ないから分かるものなんて分からないだろうし、だったら色で探るしかないでしょ?」



ああ、それで、色の事を聞いてきたんだ。


「そうだよね・・・・」



とは言われても、色なんかで分かるものもない気がするのだけど。



(色・・・・黒・・・・・・・・思い出・・・・)



「うーーん」


(ダメだ、分かるものもが何もない)



「何か分かる?」



紫衣羅くんは心配そうに聞いてくれるが、何も出てこない。



「分かんないか。・・・・・・・・時間やばいな」



そう言って、彼は太陽へと仰ぐ。



太陽を見上げると、最初白く輝いていた太陽はいつの間にか黒くなっていて、白い部分が残り僅かになっている。




そう言えば、最初出発した時はまわりはまだ明るかったけど、今は薄暗くなっている。




早く答えを導きださいと━━━━。